矯正専門医にきく、小児矯正のはなし
矯正専門医にきく、小児矯正のはなし
2021.12.22
「学校の検診でかみ合わせが悪いと言われた…」
「子どもの将来の歯ならびが不安…」
こんなご心配をされているお母様お父様も多いのではないでしょうか?
今回は子どもの時に行う矯正治療、いわゆる小児矯正についてのおはなしです。
大人の矯正と子どもの矯正は、見た目は同じでも目的や行う内容は大きく異なります。
小児矯正 3つのステージ
小児矯正は大きく分けて、3つの段階に分かれています。
- ① 乳歯の観察期間
- ② 一期治療
- ③ 二期治療
二期治療は、成人の矯正と同じ、永久歯が生えそろってから行う歯科矯正なので、今回は10歳以下のお子様を対象とした ①観察期間 と ②一期治療 について、ご説明します。
① 乳歯の観察期間
就学前の3〜6歳くらいの年齢の子供が対象です。
治療に先立ち、まず以下のようなポイントで、歯や口の中の状況、口に関するクセなどを観察します。
観察ポイント
- 1. 歯と歯の間に隙間はありますか?
- 2. 歯の生えかわりの状況はどうですか?
- 3. 指しゃぶり、唇をかむ、口で呼吸を行う、舌を前に出すなどのクセ(口腔習癖)はありますか?もしクセがある場合、それはどの程度ですか?いつから始まりましたか?
- 4. 受け口にはなっていませんか?なっていたらそれはどの程度ですか?
*3の「口腔習癖」の改善を希望される場合は、舌の正しい使い方の練習を行います。(筋機能訓練、MFTと呼ばれるものです)
*4の「受け口」に対して、自然に治ることが期待できない場合は、ムーシールドという装置を使用して治療を行います。
下の写真が実際にムーシールドを使用して受け口の治療をしたときのお写真です。
② 一期治療
7〜10歳くらいの子供が対象です。
この時期は乳歯から永久歯への生えかわりが始まり、歯並びの問題が出てきます。
たくさんの方が矯正治療を開始する時期です。
上あご、下あごの各4本の永久歯の前歯と6歳臼歯が出てきた時に装置をつけて治療を行います。
(6歳臼歯とは、5〜6歳頃に歯列の一番奥に生えてくる初めての永久歯のことです。)
一期治療の流れ
- 1. 今後生えかわる永久歯のスペースを確保します。
- 2. 上あご、下あごの位置関係の改善をして、受け口、出っ歯を治します。
この段階では主に、次の写真のような上下の前歯4本ずつにのみ金具をつける装置を使って矯正します。
- 3. へんな場所から出てきた歯を正しい位置に誘導します。
- 4. 次のステージで行う(行わないこともあります)二期治療での治療難度を軽減させます。
*詳しい治療方法や装置の種類などは、「かい矯正歯科」のHPでご確認いただけます!
一期治療の期間
乳歯が全て抜け落ちて永久歯が生えそろう時期である、大体13〜14歳までを管理期間としています。
患者さんによっては一期治療からスタートせず二期治療からスタートすることもありますが、受け口の心配がある方は一期治療から進めた方が良いでしょう。
永久歯が生えそろう時期まで治療が必要ですので長くなりますが(人によっては10年以上かかります…)、お子様のモチベーションを維持していくために、実際に矯正装置をつけて歯を動かしたりする期間は1〜1.5年で区切って行います。ですから、この時期には矯正装置を外して様子を見る期間もあります。
様子を見るのも、矯正治療です!もちろん、歯の生えかわりや出てくる方向を見て、必要に応じて装置を戻しつつ治療を進めていきます。
矯正専門医に相談しましょう
かい矯正歯科では、矯正専門医が常駐しています。
「うちの子の歯は大丈夫かなあ」とご心配な時は、お気軽にご相談ください!