歯科医師にきく、むし歯の詰めもの・被せもの治療
歯科医師にきく、むし歯の詰めもの・被せもの治療
2022.01.19
まずは詰めものについてご説明します!
むし歯の治療を進めていくなかで、治療部分を銀色の詰めもので覆わなければならない時がありますよね。
しかし、患者様の多くは見た目を気にされて「ここは銀歯以外は無理ですか? 白くきれいに治せますか?」と質問されます。
先に答えを言いますと・・・ 保険の範囲では、銀歯以外は無理な場合もあります。
前回のブログでご紹介しました「むし歯の大きさと治療方法」でもご説明しましたが、奥歯に関しては小さなむし歯ならプラスチックで白く出来るのですが、大きなむし歯は銀歯でしか治せないんです。
ちなみに奥歯とは、前から4番目以降の歯のことをいい、下のイラストの緑の丸で囲っている部分です。
では、なぜ小さなむし歯はプラスチックで治せるのに大きなむし歯は銀歯になるのでしょうか。
理由は、むし歯の箇所や詰めものの強度にあります。
むし歯の箇所と詰めものの強度
1. むし歯が奥歯の咬み合わせの面にある場合
写真の茶色いむし歯になっているところが、噛み合わせの面です。
一般的に奥歯の噛み合わせの面のむし歯は、初期段階では小さなことが多いので、小さな穴を埋めてプラスチックを詰めて治療を行いますが、プラスチックは材質的に強度がありません。
噛み合わせが強い場合などには欠けたり割れたりすることがあります。
一般的に奥歯で咬む時には、その人の体重と同じくらいの力がかかっているといわれます。
ですから、奥歯の小さなむし歯を放っておいて大きなむし歯になってしまった場合は、プラスチックではなく、強度の高い銀の詰めもので治療をしなければならなくなります。
2. むし歯が奥歯の歯と歯の間にある場合
この場合は、プラスチックでの治療が難しく、必然的に銀歯による治療になってしまいます。
プラスチックの詰めものは銀の詰めものと比較して白くてきれいなのですが、その反面、強度が低い、汚れが付きやすいという性質もあります。
もともと奥歯の歯と歯の間は歯みがきがしにくく、むし歯になりやすい場所です。
歯と歯の間にできたむし歯にプラスチックの詰めものをすると、むし歯になるリスクが高いところに更に汚れが付きやすくなり、またそこからむし歯になってしまいます。
これは銀色の詰めもので、保険で決められた材料で作っているので、強度があるにも関わらず安い値段で利用できます。
でも・・・やっぱり、銀歯よりも白くきれいな歯が良いですよね。
保険治療外になりますが、銀歯でしか治せない部分でも、セラミックインレーで詰めものをすれば、白くきれいに治すことができます!
写真でもほとんど違いが分かりませんよね!
また目の細かい材料で型を取るため、できあがりの精度が高くなり、歯との境目に段差ができにくいのでむし歯の再発を防ぐこともできます。
さらにセラミックは白いだけでなく硬さも優れており、汚れも付きにくいので、おすすめです!!
では被せものによる治療はどんなものなのでしょうか?
詰めものは歯に部分的に詰めますが、被せものは歯をすっぽりと覆う治療法です。
歯を全周に渡ってひとまわり小さく削り、被せものをかぶせます。
主に歯の根を治療して神経を失った場合、その歯は脆く弱くなるので被せものをして補っていきます。
この他にもむし歯が進んで大きく削ってしまった場合や、よりきれいに歯を治していきたい場合にもかぶせていくことがあります。
保険治療で白い被せものができるのは残念ながら前歯のみです。
しかし前歯に、その保険治療範囲内の被せものを希望される方は少ないのが現状です。
なぜだと思われますか?
実は、保険治療の白い被せものは、金属の土台の表面をプラスチックで覆った、レジン前装冠というものになります。
しかし、装着したときはきれいでも、少しずつ表面のプラスチックが変色してしまい、数年後にはあまりきれいな白色ではなくなってしまうんです。
加えて、土台が金属で出来ているので、どうしても透明感に欠けてしまいます。
なので、前歯は保険適応外の白い被せものを選択される方が多いですし、少しコストがかかりますが、長期的に見るとその方が満足度が高い傾向にあります。
では、現在翔己会で扱っている白い被せものをいくつかご紹介します!
① オールセラミック
見た目がすごくきれいなので前歯に入れる方が多いですが、もちろん奥歯であっても大丈夫です!
強度、見た目共に申し分ありません。
患者様の満足度が非常に高い被せものです。
長所
- ・100%セラミック
- ・自然な透明感
- ・変色しにくい
- ・周囲の歯と調和する
- ・摩耗に強い
- ・歯垢が付きにくい
短所
- ・極度に強い衝撃を与えると割れることがある
② ジルコニアクラウン
咬み合わせの力が強い方におすすめの被せものです。
見た目はオールセラミックに負けないぐらいきれいで、強い力が加わる奥歯に最適な被せものです。
長所
- ・歯ぎしりや食いしばりが強い人でも割れにくい
短所
- ・白いが、オールセラミックに比べると周りの歯と調和しにくい
③ ホワイトクラウン
オールセラミックやジルコニアクラウンには敵わないですが十分美しい被せものです。色が単色になってしまうので前歯には不向きですが、奥歯であれば本物の歯みたいになります。
院内にいる歯科技工士さんと一緒に色を見ながら作っていくので、実際は凄くきれいに仕上がります!
多くの患者様が、奥歯にこの被せものを選択されています。
長所
- ・100%セラミック
- ・自然な透明感
- ・変色しにくい
- ・摩耗に強い
- ・歯垢が付きにくい
短所
- ・極度に強い衝撃を与えると割れることがある
実際に見て決めましょう!
これらの被せものは、当院で実際に見ていただくことが可能です!
模型やパンフレットもご用意しておりますので、気になる方はお気軽にスタッフまでお声掛けください!